両側変形性膝関節症 膝の痛みがなくなればよいと思う。住み慣れた家で転倒なく安全に生活したい。

性別
女性
年齢
82歳
傷病名(傷病の原因)
両側変形性膝関節症
障害の程度と日常生活
両膝関節の内反変形(O脚様の膝変形)があり、特に右膝に痛みがあり、体重支持の際に不安定性を認める。
身の回りの動作や家屋内の歩行は手すりや杖を使用する事で可能だが、軽度の認知症とうつ症状があるため動く事に対する意欲が乏しく、日中は寝て過ごす時間が大半となっている。また、外出に対する意欲も乏しいため行動範囲が狭く、ご家族からの外出への誘いも受け入れがたい。
要望・目的
ご本人の要望「膝の痛みがなくなればよいと思う。住み慣れた家で転倒なく安全に生活したい。」
ご家族の要望「日中、活動的に過ごしてほしい。ふらつきがあるため安全に歩けるようになってほしい。」
担当者の考えたリハビリ目的「歩く事に対する不安や大変さを少しでも減らして、ご家族との外出の機会を増やしていけるようになる」
アプローチ
当初は、四肢・体幹の他動的関節可動域訓練を実施し、股関節・骨盤・下部体幹周囲の筋の活性化を促した。身体の各部位の動きが得られてきた時点で、実施内容を徐々に体操等のご自身で動いて頂く内容に変更していった。体操中、意欲が途切れないように挑戦心を煽る内容や楽しい雰囲気作り、声掛けを行い、自動運動の中で積極的に体幹・骨盤周囲・両下肢の筋の活性化を促した。
感想
自動運動の機会が増えた事で筋力向上が得られた。ご本人の意識の中で動く事が大変ではなくなってきたのか、運動に対する拒否が減ってきている。歩行時の膝の痛みが緩和傾向にあり家屋内での歩行練習量が増してきている。
利用者様からの感想
ご本人「運動は億劫だが仕事と思って行っている。」
ご家族「日中に寝ている事が大半なのは変わりないが、体操中はよく笑ってはりきって動いている様子が見えてよいと思う。ある日、ひ孫が来た時に自分からすっと動いて世話をしていたのを見て驚いた。本人の意欲がある時は身体が動く事がわかった。」