ポータブルトイレや車椅子へ移る時、足が交差して大変
admin2024-08-05T07:27:48+00:00施設名:アシストジャパン デイサービスセンター7号館
サービス提供地域:高知
77歳:女性
既往歴:胸椎黄色靱帯骨化症、平成30年11月22日胸椎椎弓形成術施行、脊椎管狭窄症、平成29年12月発症 関節症
1戸建て住居の1階に寝室。玄関簡易式のスロープ使用で車椅子介助。移動は、車椅子使用。ベッド。
ベッド高さ70cmの手すり2本設置し、手すり間約95cm。ポータブルトイレ使用。食事はベッド。
ご主人様と2人暮らし。家事は、ご主人様がしている。
主訴
左足の痺れは、なかなか良くならないし、感覚がわからない。時々、膝折れがある。
ニード
ポータブルトイレや車椅子へ移る時、足が交差して大変です。自分で、上手に移れたらと思います。
評価
①体幹上肢を挙げてもらうと後方へ反れ、腹直筋や腹斜筋の短縮が考えられる。また、左足背軽く触れると痛みを訴え、踵の感覚が鈍磨。左下肢の膝折れも腹直筋・腹斜筋・腸腰筋に腸脛骨筋が引っ張られて起こると考えられる。
運動療法
①骨盤の前傾後傾を自動介助にて促す。
②肩甲帯をリラクゼーションすることで胸部を広る。
③腰椎のリラクゼーションすることで、動きを引き出し、背部の痛みを軽減。
④どこが動いているか確認しながら、腰上げを自動介助にて行う。
⑤つま先立ち介助にて行う。
ご本人様から、左足の甲痛くない。背中も突っ張らない。車椅子へ自分で、移れた。
まとめ
1ヶ月間移乗しやすい車椅子をリースするも車椅子が重く、スロープで車椅子介助するご主人様には、負担であり軽いスタンダードの車椅子に戻された経緯のあった老々介護の症例。
移乗動作などで左下肢の膝折れは、体幹骨盤下肢を筋膜リリースにて、連動し無くなり解消できる。
腰椎はリラクゼーションすることで背部の痛みも消失し、体幹と頚部の分離運動が出来る様になった。体の動きを意識するよう腰が上がっていると答えてもらいながら、腰上げを行うことで、体の動かし方を学習できるようになると考えられる。
スタンダード車椅子を想定しての移乗動作は、アームレストを右手で把持し下肢の交差もなく見守りレベルで可能であった。
これらのことから、体をどう動かすか、意識付けし学習していくことで、出来る日常生活の動作が広がると考えられる。
2019年6月23日 症例検討会