歩行機能の評価、短下肢装具の必要性検討、自主トレーニングの見直し
admin2024-08-05T06:57:30+00:00施設名:アシストジャパン デイサービスセンター3号館
サービス提供地域:松山
50代:男性
既往歴:脳内出血、右片麻痺
症例は脳内出血、右片麻痺を呈した50代の男性の方です。
検討課題としては、歩行機能の評価、短下肢装具の必要性検討、自主トレーニングの見直しでした。
日常では屋内は装具なしの独歩で自立、屋外は一本杖と短下肢装具を使用し自立されています。
自主トレーニングは入院時より積極的に実施されていましたが、一日700回などの回数を実施されていたようで、過負荷となっていたことが伺えました。
介入前の歩行は、足底全体で接地するため足関節の機能がいかされず、それに併せて右膝・股関節の伸展が得られにくく、体幹も前傾位をとり、常に床を見ながら歩かれていました。上肢においても、屈曲位となり固定的となっていました。(写真①)
介入においては、代償固定により右胸郭の柔軟性が低下し、四肢の選択性も阻害していたためまずは上記の改善を図りました。
体幹の柔軟性を得られた後は、殿筋群や股関節周囲筋の不活発が著明であり、誘導を交え活性化を図りました。(写真②)
ある程度筋の活性化が得られたため、座位で右足関節の底背屈を練習しました。
最終的にはつま先立ちを課題として、足関節の動きに加え、床からの荷重情報が上方へ波及するよう活性化を図りました。(写真③)
介入後は全体的に代償固定が減少し、右膝・股関節、体幹の伸展位がみられるようになりました。(写真⑤)
ただ、それと共に失調様の体幹動揺が出現し今後の治療課題となります。
装具に関しては、機能的には装具なしでも歩行可能ですが、入院中に捻挫の既往があり恐怖心が残存しているため、段階付けとしてバンテージによる足部安定性の補填を提案しました。(写真⑤)
自主トレーニングに関しては、過剰に回数を遂行するのではなく柔軟性や、しなやかさが重要であることの理解も介入を通して得られました。(写真⑥~⑧)
2019年3月24日 症例検討会