下肢筋力をつけて、1人での作業や散歩が出来る様になりたい。
admin2024-08-06T02:35:58+00:00施設名:アシストジャパン デイサービスセンター7号館
サービス提供地域:高知
70代:男性
現病歴/既往歴:脊髄小脳変性症
ニード
庭での手入れをする際など、しゃがみ動作時に後ろに転けそうになったりする。
本人
下肢筋力をつけて、1人での作業や散歩が出来る様になりたい。
家族
自分で出来る事は自分でして欲しい。
<評価・運動療法>
評価
①体幹・下肢を固めており股・膝関節屈曲位、上肢の振りは小さく歩幅は狭くずり足でふらつきが見られた。後ろ歩きでは、右立脚期に不安感を訴えられていました。
②右下肢の内旋時は抵抗感があり、大殿筋・外側広筋・大腿筋膜張筋等の筋緊張が高いのでリラクゼーションを行い、左下肢も同様に行って両下肢の筋緊張を整えました。
運動療法
①柔軟性は出てくるも筋力の低下も見られ、自動介助で股関節の伸展させていくと体幹・大殿筋・大腿筋膜張筋の活性が見られた。
②膝立ちでは前傾傾向であったが、手を合わせての回旋運動を行い股関節が伸展し安定した姿勢で運動が行えた。
③骨盤後傾で、股関節・膝関節屈曲位から体幹が伸び、骨盤後傾が減少し、股関節・膝関節が伸展し正しいアライメントの学習を図った。ご本人様より、「こんな事知らんかった。」と喜ばれていた。
④上肢の振り歩幅も大きくなっており、ずり足は見られずふらつきなく良い姿勢で歩行されていた。ご本人様からも「ふらつきが無くなった。」と喜ばれていた。
まとめ
進行性の疾患であり、筋力低下や不安定さもあり体幹・下肢を固定することで動作を行ってきた症例。協調運動が乏しい為、ご本人も身体の動かしづらさや歩行のふらつき等を感じられていた。
固定している体幹・下肢の筋肉をほぐすことで、可動性と筋力弱化が見られて、固定を外した状態での筋肉の同時収縮をどう促していくかが課題と考えられる。右股関節屈曲他動的では90度。自動では80度であったが、自動運動をしてもらうことで動きがでやすくなっていた。
これらのことから、デイ利用日が週に1回の為、自宅トレーニングを3つ提案し、散歩は続けて行ってもらう。デイでは、固定した筋肉をほぐした状態で最大限に身体を動かし、最大の筋力を出せる運動を行っていくことで、正しい姿勢での筋肉の共同収縮を学習する。
それにより、1人での散歩の安定と転倒なく庭の手入れ・作業に繋がるのではないかと考えられる。
2020年1月29日 症例検討会