スーパーに買い物に行きたい
admin2024-08-05T06:36:00+00:00施設名:アシストジャパン デイサービスセンター7号館
サービス提供地域:高知
87歳:女性
既往歴:レビー小体型認知症・先天性股関節脱臼症(左)
90歳のご主人と二人暮らし。脚長差と体幹下肢の筋力低下があり、歩行の耐久性も乏しく、デイ以外は外出しなくなった。
デイと自宅ではフリーハンドと伝い歩きをされている。外出時には、2cmの底上げ靴を左足に履いている。
主訴
だいぶ力は付いてきたけど、歩くと疲れる。
ニード
スーパーに買い物に行きたい。
評価
認知では、HDS-Rにて24点となった。場所の見当識が0点。計算が1点。数字の逆唱が1点で、4桁で間違えた。言葉の遅延再生では、植物でヒントにて回答。物品記銘では使い方を説明で物品名がでてこなかたものがあった。
①体幹動揺も少なく歩行できている。
②線の上の歩行や方向転換もバランスの崩れなくできている。混乱しないで適切な誘導をする、自宅で行える練習を考えることの二点としました。
③ジャンプもでき、バランスもとれている。ご本人もジャンプや白線の上の歩行ができたと喜ばれていた。これらのことから、身体機能は良好であり、歩行の耐久性と認知面や違った環境への不安が問題と考えられる。
運動療法
筋力維持と向上は継続しながら、トレッドミルを利用して、初めはゆっくりと約5分ほど歩行をする。
慣れてきたら、歩行速度を上げ、歩行時間を延ばしていく事で、耐久性向上を図っていける。
また、認知面や違った環境への不安感に対して、歩行時に今朝の食事のメニュー等を質問する二重課題も平行して、行っていくことでアプローチできると考えられる。
まとめ
今回の症例は、筋力には問題なく身体機能は良好であるが、歩行の耐久性と見当識への不安があるため、外出ができない症例である。
歩行の耐久性がついてくることで、条件付きで社会参加の機会が増えてくる可能性が考えられる。
しかし、精神的に慣れていない場所や、場所の見当識による不安が強くなっている。
デイでも二重課題や、ご本人のやってみたいことの中でできることを提供し、達成感を得ることで不安解消でき、自信をつけることができる。
そのためには、ご本人の生活環境の中で、歩行の再現ができる協力者が必要であり、デイや家族と訪問介護等の連携が必要となってくると考えられる。
平成30年12月12日 症例検討会