歩行や生活場面において麻痺側上下肢の動きにくさの訴え
admin2024-08-05T06:24:04+00:00施設名:アシストジャパン デイサービスセンター3号館
サービス提供地域:松山
65歳:男性
既往歴:脳卒中、右片麻痺
約2年前に脳卒中を発症し、右片麻痺を呈された65歳、男性の方です。
弊社の訪問看護ステーションとデイサービスを現在利用されており、ご本人・ご家族、訪問看護・デイのスタッフ、他施設の参加者と身体の状態の把握及びリハビリの方針を検討しました。
主訴としては、歩行や生活場面において麻痺側上下肢の動きにくさの訴えがありました。
継ぎ足歩行の課題では動作の遂行は可能でしたが、常に左へ体を倒し力が入っている状態で、体幹の立ち直りが乏しく右足へうまく荷重できていませんでした。それに伴い右上肢の引き込みも強くなっていました。
マットへ左足を乗せる課題では、自力でバランスをとれるものの右足で荷重すると不安定となるため、左足へ過剰に荷重していました。(写真②)
いずれの場面でも、骨盤と右股関節が後方へ引け右肘関節が常に屈曲し、力が抜けない状態でした。治療では、右上下肢の筋と体幹右側の短縮があったため、臥位で柔軟性の改善を図りました。
その上で寝返り・起居動作を通して骨盤回旋の学習に加え、右上下肢の筋を刺激していきました。
最後はマットへ左足を乗せた状態で右踵の上げ下げをリハスタッフが補助し、右下腿筋を刺激しつつ足部-膝関節-股関節-骨盤が正しい位置で活動できるよう練習しました。
治療後には、継ぎ足歩行において右足へ荷重しやすくなり、体幹の立ち直りが改善したことで体の左への傾きが軽減し、それに伴い右上肢の引き込みも軽減していました。(写真③)
マットへ左足を乗せる課題においても、身体の重心位置を高い状態で保持できるようになりました。(写真④)
今回は、今後の課題も含めご本人・ご家族、デイスタッフ、訪問看護スタッフで共有できました。また麻痺側上肢の自己管理の必要性をお伝えし、意識の向け方を提案いたしました。
平成30年9月16日 症例検討会