施設名:アシストジャパン訪問看護ステーション香川
サービス提供地域:香川
対象箇所:心機能・心臓リハビリテーション・認知機能・認知予防
傷病名:心不全・アルツハイマー型認知症
リハビリの目的:退院後の機能低下に対し,入院前と同様の機能改善を図る・認知症予防
令和6年6月8日~9日の期間,香川で開催された第33回四国作業療法学会に,香川スタッフ山内康広が演者として参加しました.
発表のテーマは『退院後にADL・認知機能低下を認めた高齢心不全患者に対するコグニサイズを用いた取り組み』で,入院中の過度な安静により,退院後の生活が困難となった利用者様の,自宅での心臓リハビリテーションの取り組みを紹介しました.
今回,学会で発表した症例は,80代女性の心不全患者で,1ヶ月の入院によって自宅で歩くことが出来なくなった利用者様です.
今回の利用者様は歩行能力の低下だけでなく,退院後に合併症として,うつや不安症状を認め,認知機能低下が見られていました.
そこで,心臓リハビリテーションに必要な運動療法に加え,認知機能低下予防に効果的であるとされる【コグニサイズ】といわれる治療法を取り入れています.
コグニサイズとは,簡単な計算やしりとりなどの課題を,運動と共に行うことで,脳の機能を活性化し,認知症の予防と健康促進を目指す治療方法です.
今回は, 事前に簡易の認知機能検査を実施し,苦手な認知課題を把握したうえで,心臓リハビリテーションのなかに認知課題を取り入れています.
介入初期の認知機能は30点満点中12点でした.
(発表スライドより)
およそ2ヶ月間,心臓リハビリテーションを実施した結果です.
(発表スライドより)
訪問初期は運動を10回も実施出来ないほど体力が低下していましたが,心臓リハビリテーション実施後は最大で15回の運動が実施出来るほど体力の向上が見られるようになりました.
最終的に,運動が出来るようになったことで,車椅子を使用せず,杖で自宅の中を歩くことが出来るようになっています.
退院直後に見られていた,うつや不安症状はなくなり,心臓リハビリテーションへの取り組みも積極的になりました。
認知機能は16点にまで改善していました.