無償リハビリテーションサポートシステムとは

アシストジャパンでは、脳損傷後遺症者の方々が、退院後のリハビリに対する不安や障害に対する疑問などに個別で応じる無償リハビリテーションサポートシステムを作りました。

対象

脳卒中・神経筋障害・脊髄障害の中枢神経系損傷者・小児脳性麻痺・発達障害

内容

個別リハビリテーションと説明などを行います。そのため約90分間+αの時間を頂きます。

料金は無料です。

開催場所

主な開催日と頻度

週末18時以降

※施設がデイサービスセンターのため、18時以降での実施となります。ご了承ください。
※日程はご相談の上、決めさせて頂きます。

活動報告

2017年4月9日症例検討会

4月9日アシストジャパン三号館で症例検討会が行われました。訪問看護やデイサービスでサービスを提供してる本社社員と、近隣のセラピストやケアマネージャーが来られ、日常生活における課題の検討(今回は歩行動作)を行いました。

歩行の評価場面:常に下を向いて、肘は曲がっている

歩行の評価場面:常に下を向いて、肘は曲がっている
顕著だったのは、立位になった瞬間に視線が固定され、肘は曲がり、足は棒のようになって歩いている姿。歩行速度は遅くなり、日常から歩いている時にバランス面に不安があると本人からもありました。 本人の訴えであるバランスの確認作業では、ステップだけでなく下肢を交差するなど応用動作を意識した評価を行い、運動療法後の効果判定としました。この方は、麻痺側(右)下肢での支持だけでなく、非麻痺側下肢の支持の弱さも見られました。

動作や運動療法確認後の歩行場面:肘の曲がりは若干おさまり、上を向くようになった。

動作や運動療法確認後の歩行場面:肘の曲がりは若干おさまり、上を向くようになった。
運動療法を確認しあい、進めていくと歩行動作に若干ながら変化が認められ、本人の内観も変わったのが印象的でした。とはいえ、生活期ではこの効果がどれくらい自己管理できるかが重要となります。今回は、身体機能面の問題と、それを日常生活動作にどう汎化させていくかを参加者で検討しあえました。生活期においての私たちの仕事は、医師やケアマネージャーのケアプランを基にし、日常生活動作を確認する作業が必要だと思います。この症例検討会は日頃行なっているサービス内容について御本人様や御家族の参加の元で直接検討し合う事が特徴となります。また、これを回復期のセラピストにおいても逆算して考えていけるようディスカッションを今後はもっと行なっていきたいと思います。

担当者と運動療法について検討しあい、知識や技術の共有そして、日常生活でどのように練習していくか?に取り組んでいる場面です。。

担当者と運動療法について検討しあい、知識や技術の共有そして、日常生活でどのように練習していくか?に取り組んでいる場面です。

2017年5月21日症例検討会高知

5月21日高知県にあるテクノクラフト高知で症例検討会が開催され、今回は小児のケースで行われました。参加者の中にはお母様、担当PT、OT、支援学校の先生が来られ、共通項目であった「立位動作と移動支援」をテーマに検討しました。

症例検討会高知実績報告

症例の移動における問題点では、左脚の支持性低下が見られました。具体的には左脚に体重をかけた際、顕著に膝折れが起こり、上半身がおじぎし、介助量が多くなるのを確認しました。また、座位姿勢は常に首が前に突っ込んでおじぎし、左側に傾斜していました。太ももを支えると姿勢が良くなることから、下肢を中心とした強化課題を検討しました。

症例検討会高知実績報告

日常生活の中でどのように練習していくかを検討しています。立ち上がり動作では上半身を支えず、あえて手から誘導し、意図的に両脚を使うようにしました。また課題の難易度を徐々に上げて、本児の生活に必要な段差昇降を行うことで、左脚の強化と実際の日常生活動作の介助方法を確認できました。この本児の特徴ですが、精神的に混乱すると誘導に抵抗するため、介助者が強引に誘導してしまうことになります。少し本児の反応を待つ必要性があります。その際誘導者が持ち方や持つ力を変えることで動作が比較的楽に行える場面が見られました。このように本児の潜在能力に気づけたことで、運動療法だけでなく、学校での支援場面においても本児の能力を考えた介助方法を行うきっかけとなりました。

2017年6月11日症例検討会

6月11日アシストジャパン3号館で症例検討会が開催されました。今回は3人の方にご協力いただきました。

1人目

一人目
4月にご参加いただいた右片麻痺の男性の方です。前回から、デイサービスの担当者と共に右上肢全体を積極的に触る練習を行い、バランス練習では足幅を狭くした立位を取るなど行っていたとのことです。今回は上肢手の管理に対する事と立位バランスにおける自主訓練を提案しました。
前回は歩行時に肘関節が曲がってしまう状態が長く継続されていたため、肘関節を伸ばすことが困難でしたが、普段の場面においても右手を積極的に触る時間が増えたこともあり、肘を伸ばして手を付けるようになりました。 この状態を日頃から自宅で行えるように写真のように関わりました。特に今回は、右手をさらに使用するという観点からも、杖を両手で後ろに持つことにより、背筋が伸びる・杖を麻痺した手で握る・脚全体も支持するように股関節を伸ばすことができるというメリットをお伝えすることができました。  発症からの期間が長く筋肉が固く伸張しづらい部位も多くあるため、全ての練習を取り入れて行うことは難しく、また本人は実感しにくいこともありました。しかし、今回を含め2回リハビリテーションサポートシステムで練習したことで、「自分の足で支える感触は少しわかってきた」と実感された部分も見られました。

二人目

二人目
62歳:視床出血により左片麻痺を呈した女性です。両肩共に常にすくめた状態で、身体全体が非常に固い印象を受けました。主訴は、左上肢全体に疼痛があり、身体に密着した状態で皮膚がただれることもあるとのこと。更衣動作で、衣服が麻痺側肩にうまくかかりにくいとのことでこれらの主訴を元に上肢機能の改善とその自主訓練を考えていきました。
 他動的な関節練習より、本人自身で身体を動かすことで、手が身体から離れていく練習を行いました。この方が痛みもなく本人の実感もよかったようです。仰向けになった際、両上肢の挙上が可能になりました。さらに足の裏を接地して膝を立てた状態が維持できるようになったので横向きからうつ伏せの練習も行いました。背中の筋肉が伸張されると座ってる姿勢が楽になったとのことです。その後も比較的対称的な立位姿勢が維持できました。  最後に更衣動作では衣服に合わせた体幹の伸展と左肩甲帯の挙上が見られ、衣服が着やすくなりました。自宅環境に合わせた衣服の着脱の練習方法を確認し、終了としました。

担当者と運動療法について検討しあい、知識や技術の共有そして、日常生活でどのように練習していくか?に取り組んでいる場面です。。

三人目
50歳:被殻出血後左片麻痺を発症。発症日より7年目の女性です。主訴は歩くときに肩が外に大きく開き、肘が曲がった状態で歩かれていました。足は装具を着用しているが、内反が強くなり、歩く速度が遅くなるため、外出が常に不安であるとのことでした。
歩行動作の評価では常に視線が下向きとなり、歩幅は狭く、左足荷重時は装具を着用していても足関節が外側に偏位(捻挫する方向に)するため、やはりここでも歩きにくさを訴えておられました。また、左下肢に荷重する際、極端に恐怖感があったのも特徴的でした。
麻痺側(左)上下肢と、つま先立ちの運動療法を実施し、肘の曲がりは残存しましたが、左下肢荷重時の恐怖感の訴えは、歩行動作を行っていくに連れて軽減していきました。 このように、杖を使わなくても歩行が可能な場面も見られました。発症から長期の方でも、機能障害の問題点とそれに対する運動療法を提供することで、このように動作の改善を認めることがあります。リハビリテーションサポートシステムでは、生活に必要な動作を制限する機能的な問題を抽出し、解決のための運動療法とその効果を持続するための自主訓練の方法を個別的にお伝えするように努めております。

2017年8月6日症例検討会松山

今回のケースは、脳出血左片麻痺の男性で、H28年12月に発症し、6月に自宅退院後、半日型デイサービス(パワーリハ)に日曜日以外、通っている方でした。日常生活は車を運転されるなど自立されておりましたが、「退院して時間が経つにつれて、歩行やバランスも不安定になり、将来が少し心配だ」ということでした。  今回の相談目的は、歩行動作におけるバランスの改善に向けた身体機能についての確認、それに応じた自主訓練の作成、そして必要があれば現在使われているサービス内容のご相談について考えていきました。

症例検討会高知実績報告

評価場面では、手指はよく動きますが、肩の挙上が困難。肩関節には疼痛も見られていました。また、左足への荷重量が少なく、しゃがみ動作では踵が着かないなど、退院してから急速に身体が固くなったという言葉通り、筋肉の短縮と疼痛が肩関節・股関節、足部に見られました。また、歩行動作などバランスを要求する場面では肘が常に曲がる、足関節が内反するなどの現象が見られました。 普段はデイサービスでマシントレーニングを中心に行っていたこともあり、求心的な体の使い方が中心になっていました。そのため、身体を伸ばすような活動が少なく、これをセラピストと共有する機会が少なかったことが問題として考えられます。よって、自分なりに解決してきた結果、不必要な緊張が強まり、筋肉が固くなってしまったことが問題点として挙げられます。

症例検討会高知実績報告

肩関節の可動域制限があり、大・小胸筋やローテーターカフ筋群・上腕三頭筋の短縮が見られるため、運動療法を行いました(写真①・②)。その後、肩関節屈曲・外旋の可動域が向上したため、ベッドを両手で持つ自主訓練をお伝えしました(写真③)。下肢に関しては、ハムストリングの可動域を改善しながらも大腿四頭筋の収縮を促すように練習し、レッグプレス運動につながるよう促しました(写真④)。  練習の中で分かってきたことは、上下肢共に固い筋肉が柔らかくなっていくと筋出力が極端に弱かったことです。これを筋力低下と筋肉の弱化(weakness)といいますが、長期間使われていないことで、筋肉が刺激に対する反応も弱くなっていたため、活動を通じ抗重力筋の筋出力の活性化を図りました(写真⑤~⑧)。  すべてが良い方向とはいきませんでしたが、身体が伸びたことで動作が行いやすくなった感覚が本人は大きかったようですが、自己解決で行ってきた背景が運動方法に強くあるため、継続的な修正の必要を感じました。この中で効率よくマシントレーニングにつながればと思います。  今回のケースでは、退院後短期間で身体が固くなった背景があり、マシントレーニングのみのサービスでは対応しきれていなかったことが考えられます。リハビリサポートシステムでは、日常生活につながるように個別に応じた運動方法と自主練習を提供するよう努めております。

2017年9月10日症例検討会 松山

今回のケースは平成21年8月に左片麻痺を発症し、2年間バスを使って通勤していたがその後退職され、現在は週2回整形外科のリハビリを受けている症例です。屋外は4点杖と装具を着用、屋内においても装具が手放すことができない方でしたが、2年間バスを使いながらも通勤されていたという情報より、本人の元々の歩行能力の高さを感じたので、そのことを踏まえ希望である歩行動作(応用歩行)の検討を実施しました。

症例検討会実績報告

特徴的なのは、立ち上がり動作から右側へ大きく偏位し、常に上肢で何かを押し付けながら立つ戦略であり、それは装具を外して歩行を行うとより顕著となり、いわゆる杖にもたれることで麻痺した足指は丸く縮こまるため、より体重がかけにくくなり、結果、体重移動や方向変換あるいは後ろ歩きといった応用歩行が難しくなってきた背景が考えられます。さらにこのケースは8年間経過していることもあり、アキレス腱部と足底筋膜は短縮しており、腓腹筋・ハムストリングス・大殿筋は低緊張と混在していました。 今回の課題としては、
①これら二次的に作られた麻痺側下肢の固さと弱さを改善し、麻痺側下肢へ荷重する準備として姿勢の修正として、右側自体の体幹や下肢の伸張を行う
②麻痺側下肢に荷重を行い、足部から股関節・骨盤帯周囲筋が抗重力的活動を得ること
③応用歩行として、後ろ歩きや方向変換、段差昇降動作が少しでも容易になり、日常的に取り組める練習を検討する
としました。

症例検討会実績報告

麻痺側への荷重は本人の恐怖感が非常に強くなり、右側へ重心が偏位するため、臀部に台を置いて少し持たれる形を取り、前方からセラピストが両手を支え、身体軸の修正を図ります。この時、右側への体軸の偏位を修正しつつ、麻痺側下腿三頭筋の緊張を緩和し、麻痺側下肢へ荷重を促します(写真①)。さらに左下肢へ荷重を促すために右体側を支持し、左側肋骨と肩甲骨の可動性を出して、より抗重力方向に体幹が伸張するよう誘導しています(写真②)。次に足先から下腿、膝関節を把持し、下肢の伸展を促しました。その結果、セラピストが手を離しても、股・膝関節が自身でも伸ばしやすく、さらに力強さが増してきました(写真③・④)。さらに左下肢で体重を支持して右上肢でお茶を飲む二重課題を行いました(写真⑤)。この時には、本人から恐怖感の訴えはほとんど見られませんでした。さらに、台から右足を下ろす練習では、歩行の方向転換を意識して体幹・股関節に回旋動作を入れて練習していきました。その結果、非麻痺側のステップ動作が行いやすくなり(写真⑦)、さらにより高い台の上にステップが可能となってきたので(写真⑧)、課題のレベルをさらに上げました。

症例検討会実績報告

次に、最初に恐怖感が強かった段差昇降を行いました。段上で右足から下ろす課題が難しかったが(写真⑨~⑪)、初めてできた課題に笑顔が見られ、喜んでおられました(写真⑫)。 最後に、麻痺側下肢に荷重するため自宅で行える自主練習として、普段からよく使う立ち上がり動作を選択しました。最初にあったように、立つ瞬間に右側へ体軸を偏位させるため、左足底の設置位置をポイントにして(写真⑬)、荷重を促す練習をしました(写真⑭)。麻痺側下肢に対して十分に荷重できることで、右手の力を使わなくても立てるという自信につながりました。何回も練習していたのが印象的でした。 このように、自分にとって利益のある練習は自主訓練の継続につながります。そして、自己を知ることで新たな環境課題に対応できます。リハビリテーションサポートシステムでは、ただマニュアル的な運動を提供するのではなく、個人の能力に応じた対応により日常生活動作が少しでも効率的になるようプログラムを見直しております。

相談先の連絡方法

下記の電話にご連絡ください。

その際、事前に現状と相談内容の確認及び日程調整をさせて頂きます。

0897-58-5005

相談窓口担当者

アシストジャパン 訪問看護ステーション東予

担当 渡邉